コラム

夫婦の形

先日亡くなった75歳の男性と奥様の話です。

男性と奥様は、同じ銀行に勤めていて知り合いました。

職場結婚でした。

結婚後、奥様は退職。

2人の間に女の子と、男の子が出来ました。

絵に描いたような幸せな結婚生活、、、と思いきや、
ある日突然、ご主人が心臓を患って倒れ、
手術入院をすることになったのです。

一命を取り取り留めたものの、ご主人の病に対して
何もできなかった自分を不甲斐なく思った奥様は、

まだ4歳と2歳の子どもを義母に預けて、
看護師の道を志します。

そして、猛勉強、猛努力の結果、

奥様は市立病院の副院長を経て、
看護学校の学長や大学の教授を勤めるまでになられたのです。

そのご主人が今度は大腸ガンを患って入院。

もともと、大好きなご主人のために
看護師になった奥様です。

仕事の忙しさを言い訳に、ご主人の介護を
おざなりにするハズがありません。

嫌な顔、疲れた顔一つせず、奥様は病院と職場を
往復し、献身的な介護を続けるのでした。

さらに、ご主人の病気は大腸ガンだけではありませんでした。
70歳を越え、痴呆も患っていたのです。

それでも、周囲の方々の話では、

奥様はいつも明るく、むしろ楽しげに
ご主人の看病をなさっていたと言います。

お見舞いに訪れた奥様のご兄弟がおっしゃっていた
言葉が印象的でした。

「例えは悪いけどね。まるで犬みたい。

お見舞いに行くとね、Kさん(旦那さんのこと)たら、
まるで主人に忠実な犬が主人を見つめるような、
真っすぐな目でね、Tちゃん(奥様のこと)を見るのよ。

見舞いに行った私たちのことなんか、眼中にないって
感じて、一切見向きもしないの。

それでね、

”お前のことが世界で一番好きだ、好きだ、愛してる”ってね。

Kさん、ベタベタとTちゃんの顔中触りまくって、
チュッチュ、チュッチュと、キスまでするのよ。

あんなに愛されてたら、そりゃ辛いわ、、、」

その亡くなったご主人は、私の叔父、奥様は叔母です。

だから私もその2人を昔から知っています。

叔父の亡骸を前に、普段それはもう底抜けに明るい叔母が、
あんなに打ち拉がれている姿をはじめて見ました。

あんなにも誰かを愛し、愛されて逝った叔父の最期。

悲しくて、素敵な葬儀でした。

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