コラム

運気があがる盆参りの作法

今日13日はお盆の入りです。
13日の夕方、迎え火を焚いて、ご先祖様を迎え、
16日の夕方、送り火を焚いて、ご先祖様をお送りする。

この4日間が、お盆です。

お盆休みは本来、ご先祖様にお参りをするためにいただいた
別休暇なので、全くお墓参りもせず、ただのバカンスだけで
過ごすのは望ましくありません。

また、お盆の準備や行事を「年寄りの役割」と見限って、
おじいちゃん、おばあちゃんに任せきりにするのも望ましくありません。

おっくうがる若者を連れ、そこに大人が率先して
ニコニコ楽しく参加するのです。

なぜならこうした伝統行事は、
子ども達に、
家や家族の結びつきを強め、
命の有限性や死後の世界の想像をさせ、
他者や目上の人と関わる礼儀作法を学び、
物事の背景に秘められた人生の本質や、知恵を知り、
日本人としてのアイデンティティーを育てるからです。

さらに、伝統行事の由来やいちいちの作法の背景には、
時として私たちの人生を健かに、強かに、しなやかに、
幸せに生き抜くためのヒントが隠されていたりします。

これが人生のどん底に堕ちた時、迷った時、苦しい時などに、
ジワジワ効いてきたりするものなのです。

とは言え、伝統行事は、堅苦しい、メンドクサイ、
意味が分からないところがあり、正直に言うと、
私も昔はイヤイヤ関わっていました。

でも35年以上、僧侶としてお寺にいて感じることは、
やはり、伝統行事に親が率先して子ども達を引き連れて
参加している家は、栄えているということ。

1年を通じて家族関係や家計が安定しているだけでなく、
何か自己や事件や問題があったとき、どん底に落ちるような出来ごとがあっても、
なんだかんだ家族が助け合って、また盛り返して来る力を持っているということ。

家の力とは、家族を構成している個々の人間の力が
結集した力のことです。

つまり、生きる力や強い運気を持った人間が
家に育っているのです。

ではなぜ伝統行事が、家庭内に運気や人を育てるのか。

それは、
「目に見えないものを大切にする心」が育つからです。

例えば今日から始まるお盆。

お盆は、盂蘭盆会(うらぼんえ)といって、
インドのサンスクリット語のウラバンナ(逆さ吊り)がその言葉の語源です。

つまり「逆さに吊りの刑に処されているような苦しみを持った人々を救う法要」
がお盆です。

では、一体なぜ逆さ吊りの人を救う法要なのか。

盂蘭盆会のはじまりは、お釈迦様のお弟子さんの1人であった、
目連さんが、お母さんの死後を心配したことがきっかけでした。

お釈迦様の弟子に目連さんという人がいて、
目連さんは、お母さんが亡くなった後、
お母さんが生前非情に欲深い人だったため、死後地獄に堕ちて
苦しんでいるのではないかと心配したのです。

そこで神通力を使ってお母さんの姿を死後の世界に探したのです。

案の定、母は極楽にはおらず、地獄にいました。

地獄で逆さ吊りの刑に苦しんでいる母の姿を見つけたのでした。

見たいけれど、見たくなかったものを見てしまった目連さんの
苦しみといったら大変なものでした。

そこで、目連さんはお釈迦様に、どうすれば母を救えるかを相談したのです。
するとお釈迦様は、
「夏の修行が終わった7月15日に僧侶を招き、供養すれば
お母さんを地獄から救うことができますよ」と答えました。

このことから、7月15日は、亡くなった祖先に感謝をささげ、
そのご恩に報いるために、供養をつむ日となりました。

これがお盆の始まりです。

注:ここで言う供養とは、供物を備えたり、お坊さんがお経を読んだりすることだけではありません。あの世ではもう償えない死者のこの世での罪を、
死者に代わってこの世に残された者達が、よい行いを積むことによって、
相殺しようと努力することによって、死者の精霊のみならず、残された者たちの
人生が好転していく知恵のことが供養です。

私が子どもの頃非情に興味深かったのは、

精霊棚に飾る、キュウリ馬とナス牛でした。

ご先祖様を迎えるときには、
「早く来て欲しい!」というメッセージを込めてキュウリ馬を。

お帰りになるときには、
「ゆっくりお帰りください」というメッセージを込めてナス牛を。

子ども心に、キュウリやナスに乗っておじいさん、おばあさん達が
楽しそうにあの世とこの世を行き来する姿を想像したものです。

ご先祖さまの霊が本当にいるかいないか、
帰って来るか帰ってこないか、
霊の存在など科学で証明されていない、
そんなことはどうでもいいんです。

自分に命をつないでくれた、目に見えないご先祖様を
自分勝手に想像して、
そこに精霊棚を作って、
キレイなお花を飾り、
ローソクを明るく灯して、
よい香りのするお線香をたき、
特別に用意したご飯や、
旬のジューシーな果物や、
お盆からこぼれんばかりのお菓子を備え、
ご先祖様が迷わないように、
玄関の入り口には、
迎え火と送り火を焚き、
道中の交通の便を考えて、
キュウリ馬やナス牛まで用意する。

目には見えないご先祖様をお迎えするのに、
ここまで気を使って準備するのです。

そんな子孫ををご先祖さまが大切に守ろうと
しないはずがありません。

私も死んだ事がないので分かりませんが、
もし子どもたそんなんしてくれたら、
草葉の陰から、何としても守りたいと思います。

また、
ご先祖さまの迎え方は、実はそのまま
人様の迎え方、送り方でもあります。

小さい時から、おじいちゃんおばあちゃん、
お父さんお母さんからその意味を聞かされながら、
お盆の準備をしてきた子どもたちが、
大きくなって結婚し、就職し、社会と、
世界と関わるようになったとき、
「目に見えないものを想像し、大切に育む」人になるのです。

「目に見えないものを想像し、大切に育む力」
この力のことを「感性」と呼びます。

今日本人から、「感性」が消えつつある気がしています。

目に見える人、もの、ことなら、誰でも大事にします。

その人がVIPなら、怖面のクレーム魔だったり、お金をたくさん落としてくれるお客さんだったり、その物が高価であったり、珍しいものであったりするなら、
神経質に、几帳面に、丁寧に、大事に接します。

でも、ご先祖さまは「目に見えない存在」です。

ご先祖さまとは、私たち自身の中にある「意識」なのです。

別にお盆行事をやらなかったからといって、
叱られるわけでもなく、
やったからといって、
あからさまな見返りが期待できるわけでもありません。
でも、そこを大切にできるかどうか、
がその人の心を、魂を育てます。

「目に見えないものを想像し、大切に育む力」
私たちの感性を、意識を育んできたお盆、
大切に過ごしたいものですね。

追伸:

先日、メッセージで、
『家運、社運があがるお盆参りの作法』
をもう一度聞きたいというリクエストをいただきました。

2年前に、中小企業の経営者向けに録音公開した音声ファイルです。
家庭を持っている人や経営者の方はぜひ聞いてみて下さい。

盆を過ぎると、今年ももう残すところ4ヶ月しかありませんが、
9月からの運気がグンとアップして、前半の気後れを取り戻すことが
できると思います。

『家運、社運があがるお盆参りの作法』
https://www.youtube.com/watch?v=Bzu5_yQlBno

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