倒れたスギゴケのその後と新芽の発芽状況

この記事では福厳寺の裏庭で栽培している苔の育成状況をお伝えします。

前回はこちら↓

苔の育成日記:連日の猛暑で…これはダメかも

前回お伝えした苔の状況ですが、灌水して3日ほど経過しても元に戻る気配がなかったので、対策として、芝生で言うところの”目土入れ”を行いました。

今回なぜこのような対策を行ったのか、解説したいと思います。

スギゴケが枯れる理由

そもそもスギゴケが枯れる原因の一つに新芽が育っていない事があります。

良い状態のスギゴケのコロニーは新芽が生えている

成長したスギゴケは長くなるほど自重で倒れやすくなります。しかし新芽が生えていれば新たにその新芽が成長していくことになります。このようにスギゴケは世代交代を行うことによってコロニーを維持しています。

新芽が成長しているスギゴケのコロニーは人工的に刈り入れを行い、古い苔の長さを調節して上げることで倒壊して枯れるリスクが少なくなります。

刈り入れを行い、世代交代を促す。

しかし、今回倒れてたスギゴケのコロニーには新芽がほとんど生えていませんでした。このまま刈り入れをしても復活しない可能性は高いです。

なぜ新芽が生えないのか?

新芽が出ない原因はいくつか考えられますが、倒壊したスギゴケの層が厚すぎるのではないかと考えています。

福厳寺のスギゴケのコロニーを掻き分けてみると、過去に倒れて枯れた苔が深いところでは2~3cm、土壌に積もっているのが観察できます。

かき集めると大量の枯れた苔が現れる。

最初は新芽が発生していたものが、世代交代を繰り返すうちに枯れた苔の層を厚くし、新芽が出なくなったというのが今回の仮説です。

倒れて枯れたスギゴケが新芽の発生を阻害している

そこで今回は目土を入れることで、対処を行いました。

土を苔の上から振りかけて、地面の高さを高くします。そうすることで地面に出ているスギゴケの高さが低くなるので、スギゴケが倒壊することを防ぎます。また、枯れた苔で覆われていた土壌に土を入れることによって、新芽が生えやすい土壌環境を整えるという役割もあります。

倒れていた苔を起こして目土入れをした後。

しかしこの方法はスギゴケが倒れにくくすることにおいては非常に効果的ですが、一年に3〜5cm成長すると言われているスギゴケの管理に毎年目土を入れていたら、地面がどんどん高くなってしまいますので長期的にできることではありません。

目土には黒土、砂、ピートモスを混ぜたものを使用しました。

なので、今回目土を入れたのはあくまで応急処置です。今後は刈り入れを行うことで徒長抑制を行い管理する方が望ましいので、新芽の発芽状況を見ながら考えていきたいと思います。

苔の種を蒔いてからその後

地面に直蒔きしたスギゴケは、ちょぼちょぼと芽が出ています。しかし何故かゼニゴケが多く発生してしまいました。土は元の土壌で栽培していますが、あまり水はけがよく無いのでしょうか。

また、苔の種が雨や風で流されているようで、発芽の量が少ないのも気になります。直蒔きが難しいと言われる理由がわかりました。

同時に栽培ケースでもスギゴケを蒔いていましたがそちらはまずまずの発芽状況です。

栽培ケースのスギゴケ。

同じ土を使ってるのですが、こちらはゼニゴケが生えていません。栽培ケースの底面には穴が空いているので地面よりも水はけが良いのが理由だと思います。

この栽培ケースは直に雨風の当たらない軒下で栽培しています。自然に生えている苔もそうですが、いかに雨や風の影響を受けないようにするかがポイントのようです。

ナーランダ出版 光貴

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