一問一答

会社を退社する時や独立する時に上司に恩返しする方法

【相談者:20代男性 会社員】会社を辞めて、独立起業しようと思っています。
昨年末に会社には相談し、多くの方から応援の言葉をいただいたのですが、上司の一人から「せっかくここまで育てたのに」「こっちの気持ちも考えてくれ」などと、強く反対されました。
現在勤めている会社は私が高校生のアルバイトからお世話になっており、正社員として入社させていただいたのも、その上司の助力あったという経緯があります。このことは私も恩を感じており、反対されるのも仕方ないとも思います。私も上司と同じ立場だったらきっと嫌だと思います。

退社することはほぼ確定しており、気持ちに揺るぎはないのですが、ただ一点その上司との関係を、どう折り合いをつけるべきかが分かりません。私が働き続けることが一番の恩返しだとは思いますが、それが叶わなくなった今、恩返しとして私ができることはまだ何かありますでしょうか?

会社経営者でもある和尚様よりアドバイスいただければと思います。

 

「ありがとうございました」という気持ちを忘れないこと

「報恩」という言葉をご存知でしょうか?「報恩」とは文字通り、「恩に報いること」。仏教でとても大切にされている考え方です。今回の相談者は、辞める会社の上司に、大きな恩を感じています。ここまで育ててもらったことに、心から感謝しています。「してもらって当然だ」と思うと、感謝の気持ちも生まれません。恩を感じている相談者は、とても立派な人格の持ち主であるといえます。

相談者さんができることはなんでしょうか?まずは、これからも上司に対して「ありがとうございました」という気持ちを忘れないことです。そして、できる限りの恩返しをすることです。その「報恩」の姿勢は、きっと上司にも伝わることでしょう。それでは、どのようにして恩返しをしていけばいいのでしょうか?まずは、「恩」そのものの成り立ちから考えてみましょう。

 

四つの「恩」のかたち

「恩」という漢字のつくりを見てください。「因」と「心」で構成されています。つまり「恩」とは、原因を心にとどめることを意味します。「育てていただいた」ことを忘れないこと、それが「恩」であるといえます。そしてできることなら、お世話になった人へ恩返しがしたい。まず、ここでは仏教での恩のかたちを紹介します。

仏教では「四恩(しおん)」という言葉があります。これは弘法大師が中国から持ち帰った言葉であると言われています。四恩という言葉の通り、四つの恩が提示されています。その四つの恩とは、次の通りです。

1、国家の恩
2、衆生の恩
3、父母の恩
4、三宝の恩

四恩の経典には「人の人たる道は恩を知り、恩に報いるべき」と書かれています。恩返しをすることは、とても大切なことなのです。この四つの恩を忘れないこと。そして恩返しをしていくことです。これから、独立起業を目指す相談者の四恩について、ひとつずつ見ていきます。

 

四恩を忘れず、上司に恩返し

四恩を覚えておけば、より望ましいかたちで恩返しすることができます。独立起業の際にも、大切な考え方になります。順に見ていきましょう。

【1、国家の恩】

国家に対する恩のことです。日本は今、世界でいちばん安全であり、きれいであり、ビジネスしやすい国であるといえます。こんなにいい環境はありません。国家を信じられない人もなかにはいますが、歴史を学べば、日本という国に恩を感じずにはいられません。つらい時代を乗り越えて形成された、とても幸せで豊かな国なのです。もし独立起業すれば、国家に対する恩を今以上に果たすことができるでしょう。人を雇う側として、また納税者として、大きな貢献をすることができます。

【2、衆生の恩】

衆生(しゅじょう)の恩とは、言い換えると社会に対する恩です。社会に対する恩は、ビジネスで大きな利益をあげることで果たせます。独立起業することでビジネスチャンスを得たのなら、大きな利益を目指してください。ビジネスが成功すればするほど、誰かが喜んでいるのです。なぜなら、お金を支払われるということは、提供するサービスが人を幸せにしているからです。

【3、父母の恩】

父母(ふぼ)の恩とは、自分を育ててくれた人への恩です。これは、上司に対する恩であるともいえます。つまり、お世話になった人に対する恩です。惜しまれつつも辞める場合、イヤミを言われることもあるでしょう。それは、強い思い入れの裏返しです。独立して起こした会社で立派にビジネスをすることで、恩返しになります。「あのとき辞めていったあいつが、すごい人間に成長した」と思われることが大切です。そしていつの日か、仕事を教えてくれた上司に対して「ありがとうございました」が言えたとき、最高の恩返しになることでしょう。

【4、三宝の恩】

三宝(さんぽう)とは仏教でとても重要視されている三つの要素です。仏様、教え、僧侶。これを仏教では「三宝」といいます。つまり三宝の恩とは、仏教そのものに対する恩のことです。会社を経営する際、会社の理念を設定することになります。そしてその理念に基づきサービスを行います。そのときに、小さな欲に振りまわされないことです。自分を律していくために、仏教がとても大切なのです。会社の理念をしっかりと持ち、たくさんの人に宣言できたら、経営はきっとうまくいくことでしょう。三宝の恩は「仏法とめぐりあえた幸せへの恩」と言い換えることもできます。

以上がビジネスにおける「四つの恩」です。会社を離れ、独立起業するのであれば、成功して四恩に報いてください。それがお世話になった上司への恩返しになります。

 

「辞めないでくれ」と言われたからこそ、成功できる

今回は、会社を辞めて独立企業するときの、お世話になった上司に対する恩返しの仕方について考えてきました。独立を決意して会社を辞めるとき、「お疲れさま、頑張ってね」と応援される人よりも、引きとめられる人に成功する可能性があります。なぜなら、「お前に辞められたら困る」ということは、「お前は役に立っている」ということだからです。辞めてほしくないと思われたときが、独立起業する最高のタイミングなのです。ビジネスを成長させ、大きな成功を収めることが、お世話になった上司への恩返しになります。誰もが「お世話になりました。ありがとうございました」という気持ちを忘れずに生きていけたら良いですね。

 

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